舞台は北信州の大自然!アウトドアアクティビティ満載の「滞在型コンテンツ開発」

山と高原と湖の豊かな自然が育む信濃町

 長野県北部、北信五岳(飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、斑尾山)に囲まれた信濃町は、妙高戸隠連山国立公園に指定されている野尻湖と黒姫山を有し、夏はダリアとコスモス園、冬はスキーが楽しめる黒姫高原やバックカントリーの聖地として知られるタングラム斑尾など、豊かな自然に恵まれたリゾート地です。

 「信濃町は自然の魅力を活かしたアウトドアアクティビティが多彩ですが、野尻湖でワカサギ釣りだけ、黒姫高原でスキーだけなど、ひとつの目的で訪れる観光客が多くて……」と語るのは信濃町振興局の小菅千絵さん。新型コロナウイルスの影響で旅のスタイルが変化するなか、ひとつの目的ではなく、さまざまなアウトドアアクティビティを楽しめる「滞在型コンテンツ」を発信して誘客に繋げていこうと、昨年から町の事業者が集まり話し合いを進めていました。地域一丸となって取り組む第一歩がこの事業です。

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町内の観光向け体験会のE-bikeツアー。
大自然のなかを最新の電動付きマウンテンバイクで軽快に走る

信濃町の魅力ある体験アクティビティとは

 野尻湖、黒姫高原など個々の魅力が大きいゆえ、これまでは事業者ごとに観光プロモーションを行っていたので、まずは信濃町のアウトドアアクティビティ情報をひとつにまとめた、滞在型観光プランを提案するパンフレット作りからスタート。秋と冬には多様なコンテンツを発信する事業者向けの体験会を実施しました。

 体験会では野尻湖畔から、町に水田を開拓するために作られた「伝九郎用水」に沿って水源まで走るE-bike(最新電動アシスト付き自転車)のサイクリングツアーや、野尻湖でワカサギ釣り、馬との触れ合い、スノーシューで歩く森林セラピーを開催。なかでも森林セラピーは、信濃町が日本で最初に始めたプログラムで、町認定の森林メディカルトレーナーと森の中を歩きます。今回歩いたのは、トレーナーと一緒に野尻湖を眺めながら森林浴を楽しむ「象の小径コース」。このほか、環境保護活動家の故C.W.ニコル氏が創設した「一般財団C.Wニコル・アファンの森財団」のホースロッジで、馬ソリなどを楽しむ、馬との触れ合いもおすすめのコンテンツだそうです。

 町内をはじめ、長野市戸隠地区や新潟県妙高市など近隣の事業者にも参加してもらうと「冬の野尻湖の美しさを初めて知った」「信濃町に馬がいることを知らなかった」という声もあり、小菅さんは信濃町のアクティビティをもっと発信していくべきだと改めて思ったそうです。

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メディア向けモニターツアーの森林セラピー。
信濃町は「癒しの森」として森林療法や
森林セラピーが行われている

アウトドアアクティビティへの欲求

 今年の1月には滞在型観光プランを提案するパンフレットに準じた、メディアと親子向けにモニターツアーも実施しました。親子向けは都市部で働く現役世代を対象とした、親子でアウトドアを楽しむ2泊3日の滞在プランで、小学生と中学生の子供がいる千葉県 在住の家族と、未就学児童と小学生の子供がいる神奈川県在住の家族が参加しました。

 滞在先はホテルとペンション。近年、ペンションを利用する旅行者が少なくなっているので、信濃町にある魅力的なペンションを広めたいと、滞在先のひとつに加えました。事業者向けの体験会ではワカサギ釣りや森林セラピーに加え、古民家の囲炉裏で炭をくべたり魚を焼いたりする体験も開催。参加家族と一緒にアクティビティを体験した小菅さんは、ファミリーの様子を間近で見て「お子さんたちのイキイキしいた表情が印象的でした。特に雪遊びが楽しかったみたいです。一緒に過ごした3日間ですごく仲良くなりました」と微笑みながら語ります。新型コロナウイルスの感染拡大による不要不急の外出自粛で、自由に遊べる機会が激減。その反動としてアウトドアアクティビティへの欲求が高まっていると感じたそうです。

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家族向けモニターツアーの古民家で囲炉裏体験。
普段目にすることはない
囲炉裏を囲みながらランチタイム

コンテンツを充実させ、滞在型観光プランを構築

 モニターツアーはコロナ禍での開催でした。感染が拡大している首都圏から参加者が訪れることに、小菅さんは「町の施設や事業者さんも対策を取っていますし、首都圏からの方を受け入れてくださるところにお願いしたので、問題はなかったと思います」と言います。各事業者は体調チェックを行う、マスク必須、距離を取るなど、感染症対策への共通認識をもって取り組んでいたため難しいことはなく、地域一丸となることで協力の輪が広がりました。

 今回の体験アクティビティでは森林セラピーの評判が高く、「寂静な雪の森をスノーシューでゆっくり歩くと、感覚が研ぎ澄まされた」「自分自身や自然と向き合い、さまざまな発見がありました」などの声も。これからも取り入れたい観光コンテンツとなったと小菅さんはうれしそうです。「今後もあまり認知されていない、PR不足のアクティビティを広めていき、滞在型コンテンツを充実させたい」そして、家族連れやカップルなど、ターゲットに合わせたモデルプランを作り、旅行者それぞれが体験アクティビティをカスタマイズできるようにしていきたいと小菅さんはこれからの目標を語ってくれました。アウトドアアクティビティを通して、いつ訪れても楽しい魅力満載の町づくりが続いていきます。

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事業者向け体験会のスノーシューでの森林セラピー。
未経験でも安心して体験できる

写真提供:信濃町振興局

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